WakeUp,Girls!と聖地仙台。
WakeUp,Girls!にとって仙台とは始まりの地であり、長い時間をかけて“HOME”へと染め上げたWUGの箱庭であり、誰もがWUG!を知る不思議な(?)地である。
わたしは仙台で生まれ育ち、仙台が好きだ。
タイムラインでしか見たことのない人々が、わたしもよく行く仙台のお店や食べ物、あるいは風景を、心の底から嬉しそうに撮影してアップロードしてくれる。
それがたまらなく好きなのだ。
仙台は、『WUG!』の世界がそのまま現実にあるかのような空気を体験できる場所だ。
声優WUGは、まるでアニメから飛び出してきたかのようなライブでわたし達を2.5次元に引き込んでくる。
それらと同じように、ブラウザやSNSでしか話したことのない愉快な“ワグナー”が、現実の何処かに足跡を残していく。
そんな遠くの仲間たちを、“聖地”でなくとも暖かく迎え入れる地元の人々が数多いる。
WUGは仙台にとって、もはや日常に当たり前に存在している風景を、ほんの端っこだけかも知れないが、確かに占める存在になっている。
この雰囲気もまた、一つの夢見た景色。
さいたまスーパーアリーナを光でいっぱいにした光景が夢であったように。
WakeUp,Girls!を仙台が受け入れ、“聖地”が完成するこの光景もまた夢だったのだ。
いつかはきっと、この光景を知らない人たちが増えていく。
忘れてしまう人たちも少なくないはずだ。
そう思うと、道半ばのようで少し寂しい。
だが、きっとこの日常を覚えていてくれる人たちもまた、変わらず居続けるだろう。
少なくとも、1万3000人のSSAのお客さん。
2万何千人の、楽天ファン。
“聖地”となったお店を営む人々。
そんな人たちの心を拠り所にして、思い出は残り続けるはずだ。
いつかどんなに時間が経っても、すっかり寂れてしまっても。
そんな思い出の地を目印に、覚えている人々が集まれる。
自然と誰かの顔を見られる故郷になる。
“聖地”のそんな役割は、きっと始まったばかりに違いない。