回顧録。七つの星に変わる。

“忘れることが怖いから 少しずつ話をしよう”

お祭り。2018年②

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きっと、彼女たちがもっとも不思議な色で輝いていた時期の話。

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隙間だらけの幕張イベントホール。
ガチ走りするわぐちゃんとランガちゃん。

今までのどのWUGイベントとも毛色の違う、ファン感謝祭のような独特のイベントだった。

5月12日、GreenLeavesFesのことだ。

狙ったかのようなセットリストは、さすが歴戦のわぐなーさん達。
心から楽しそうに輝き飛び回る10人の姿は、一回りも二回りも小さなホールで必死に踊っていた姿と何も変わらない。
ホールはだだっ広くても、会場選びがおかしくても、彼女たちは不貞腐れたりしない。
会場は10人の喜びと、多くの人々の幸せで一杯だったから。


青葉の軌跡。

東京の都心にあるホールで演じられた、WakeUpGirls!がやっと7人になれたあの頃の物語。

みなまで語るべきではないだろう。

この物語を再現する彼女たちはどこか晴れやかで、新鮮な驚きを見せてくれた。
『記録』の物語が、舞台の上で続いてくれた喜びもある。

“諦めない”。

そんな言葉が持つのは、計り知れない力だった。


ワグナイター。

私がWUGに触れ始めたきっかけのイベント。
WUGのローカル的な側面を象徴する、恒例のお祭り。
私は毎年、これだけは絶対に来い!!と、誰に言うでもなく呟いてきた。
この年はまさかの2daysだ。

前夜祭。

阿部ちゃんのトークにひとしきり笑った。
ランガちゃんを初めて至近距離で見た。
はやまるが選手たちの女装で興奮していた。
厚木那奈美さんがおおはしゃぎでとび跳ねていた。
森嶋優花さんがブランコに向かい、オタクたちがそれをゾロゾロ追う光景でクスッときた。

永野さんは最後まで素で応援していた。
スタンドに背中を向けて試合をガン見である。

この日は勝つことが出来なかったが、HRも出るなど翌日を期待できる吉兆がたくさんで、そわそわしながら帰路についた。

2日目。6月ながら天気は快晴。

少しだけ影のあるわぐちゃん。
ハイタッチは、少しだけゆっくり?
気のせいかな。

イーグルスブリッジというアトラクションを楽しむ田中さんと高木さんを真下から見た。
こらみにゃみ、今ガニ股はやめて!

昼間からビールを飲んだ。
クレープを買って出来上がりを待ってたら、隣に田中美海さんがいた。(ビビって無言で飛び退いた。もったいない。)

酒を飲みながら、同好の士と肩を並べながら、推しの子と一緒に試合で一喜一憂しながら、ときには気軽にお話ししながら。
そんな理想郷のような環境でスポーツを観戦できるのが、ワグナイターなのだ。

試合は快勝。
ホームで負け込んでいた2018年のイーグルスが、である。

揃いのホームユニを着て大声を張り上げ、全ての応援歌を歌いこなすわぐなーさん達は、意外にも地元ファンにとても良い印象を持ってもらえたようだ。

ーーこの日だけの応援歌は、極上スマイル。
「いくぞ!勝つぞ!犬鷲!オイ!」
……これ、ライブでコールしちゃダメ?
いつも思ってるんだけど。ーー

WakeUpGirls!が聖地で親しまれ、遥か遠くからファンを集める。
何もなくても仙台に来てくれる方々や、仙台に仕事を見つけて住んでくれた方もいる。
“WUG”という“仙台のアイドル”のコンセプトはここに完全となりつつあるのだ。

私はそのように感じていた。